2025年度の一般会計予算案に反対討論をしました
2025年3月24日(月)に3月議会が閉会しました。
議会最終日の本会議では、日本共産党芦屋市議会議員団として一般会計予算案に反対をしました(一般会計予算は賛成15、反対4で可決)。
川島あゆみ議員が下記の通り反対討論を行いました。
(以下、討論全文)
日本共産党を代表して、
第24号議案 2025(令和7)年度 芦屋市一般会計予算 及び
第29号議案 介護保険事業特別会計、
第30号議案 後期高齢者医療事業特別会計、
第32号議案 三条津知財産区共有財産会計に反対の立場で討論をします。
それ以外の予算には賛成をします。
まず、反対をする3つの特別会計について申し上げます。
◆介護保険事業特別会計については、市の一定の努力は認められるものの、介護保険制度そのものの改悪が著しいため反対します。人材不足は元より、訪問介護事業者の4割が赤字であり、事態は深刻です。また、都市部も例外ではありません。一刻も早い国の制度の改善が求められています。
◆後期高齢者医療事業特別会計については、年金の額が上がらない中で、医療にかかる割合の高い75歳以上の高齢者だけを被保険者としてまとめることに無理がある制度です。しかも2024年より子育て世帯の出産育児一時金の引き上げ財源として、後期高齢者医療制度の中から一部負担させることが決まるなど、保険制度としてはもとより、世代間の分断を招く大問題であると考えます。
◆三条津知財産区共有財産会計については、在日米軍が日本国内で円滑に活動できるようにするための「日米地位協定」が存在する下で、自衛隊と米軍の結びつがますます強まっており、六甲山頂を自衛隊通信基地として貸与することは、市民の安心安全が脅かされる可能性を含んでいます。山頂の基地のある敷地は神戸市との共有持ち分であると言うものの、貸し付けが年度更新なのであれば、その都度自衛隊には返還を求めていくべきです。なお、神戸市では神戸港に寄港する外国軍の艦船に核兵器を搭載していないことを証明する「非核証明書」の提出を義務付けていますが、ちょうど本日2025年3月24日に、この非核証明書を提出していない米軍の軍艦(掃海艇)が入港しました。神戸の非核・平和のために1975年に神戸市会で決議され、地方自治体が守ってきた「非核神戸方式」が破られたことは大きな問題ですが、そもそも地位協定があることの弊害が改めて浮き彫りになっていることを申し添えておきます。
◆次に、一般会計予算について申し上げます。我が党としてこの間、高島市政には是々非々の対応をしてきました。新年度の予算案については、市民の声を受けて私たちが求めてきた施策の実現など、評価できる点もありながら、市民生活に多大な影響を及ぼしかねない課題・問題があると考えるため反対を致します。
◆まず、評価できる点について申し上げます。
学校体育館へのエアコン設置は、子ども達の熱中症対策や災害によって避難所となった場合の環境改善のために、長きに渡って芦屋市PTA協議会などの保護者団体からも要望されてきました。また市議会での請願採択の成果として私たちも歓迎しています。各学校によって必要な工事及び工事期間が違うことから、カリキュラムにできるだけ影響が少なくできるように取り組んで頂きたいと思います。また、感染症対策についても併せて求める声があるので引き続き研究をお願いします。
不登校の子どもたちを学校で支援する「PEACEサポーター」の拡充については、1校に1人を配置したことを評価しています。ただし、非正規の公務員である会計年度任用職員の採用枠であることは課題であり、また、子ども達のケアのためにも有資格者等を採用する努力をしていただきたいと思います。
いま、電車やバスといった公共交通網から外れてしまっている三条・山芦屋地域に予約制の乗合タクシーを走らせるという「デマンド交通」の実証実験については、市民の公共交通権を保障し、交通が不便なエリアをカバーする取り組みとして評価しています。利用促進および制度の定着のためにも、周知に努めていただきたいです。
平和行政については、戦後80年、非核平和都市宣言40周年の節目に、そしてこの戦争の足音がするかのような「きな臭い」社会情勢の中で、記念事業によって平和の意味・尊さを改めて市民が考える機会になることを願っています。
他市に比べて割高である民間賃貸住宅への家賃補助を求めてきましたが、家賃補助を含む今回の住宅施策については、若い世代の転入を促す取り組みがされ嬉しく思います。また、シングルマザーなど、住む場所に困っている人が家具などをそろえた市営住宅等ですぐに生活を始められる取り組みも要望してきたため、今後に期待します。
◆次に要望を申し上げます。
学校給食の無償化は、日本共産党としても長年要望し、いま、全国的に多くの自治体で進んでいます。特に、東京都が無償化を決めたことの影響は大きいと考えます。いま、国も無償化に向かう中ではあるものの、実現までには様々な条件整理が必要であることから、芦屋市として前倒しで実施することを求めます。一方で、物価高騰に対して柔軟に対応できる予算がないために、現場の栄養士の工夫頼みで乗り切っている現状があるため、これらは早急に改善すべきだと考えます。
子ども医療費助成制度については、これまで、中学三年生までが対象であり、さらに所得制限があることから多くの家庭で利用できない制度でしたが、高島市政がスタートしてから、一部自己負担金が発生するものの全ての子育て中の家庭が対象となり、高校三年生までに制度拡充するなど、大きく前進した事を評価しています。いずれは自己負担金800円もかからない「完全無料」に踏み出して頂くことを要望します。
JR芦屋駅南地区再開発事業については、日本共産党として、交通結節点として安心安全な駅前空間を早く市民に提供してほしいと考え、予算には賛成してきました。しかし、伊藤市政のときに、議会の多数派によって事業が二年止められていたことに加え、新たに就任した高島市長によって計画変更の方向性が示されました。結局、時間と労力をかけながら芝生広場は実現せず、むしろ遅れによって事業費はさらに膨らんでいる状況です。引き続き事業費縮減の努力と合わせて、地権者や市民のために事業を進めて欲しいと思います。一方で、市民サービスである「公益施設」においては、過去のアンケートからも、市民の知る権利を保障するような図書館機能が求められています。市民要求に答えていく事を強く求めます。
◆最後に、問題点および反対する点について申し上げます。
まず、三条デイサービスセンターの廃止について述べます。セーフティネットとして公立のデイサービスセンターを維持してきたことを本来評価すべきであり、廃止そのものが問題であると考えます。市当局は民間施設の充足によって、公的施設が役割を終えたと言いますが、民間施設の介護現場は問題を抱えています。東京商工リサーチの調査によれば、2024年の介護事業者の倒産・休廃業・解散は784社でした。倒産・休廃業・解散件数のうち、トップは訪問介護事業者の529社で約7割を占めますが、次に多いのはデイサービスなどの通所・短期入所施設の126社です。また、10年間の累積では、通所・短期入所施設の倒産・休廃業・解散は980社に上ります。民間施設が存在し続けるという保証はどこにもありません。介護保険制度の改悪、介護人材が不足している中で、団塊世代が後期高齢に突入し、介護を必要とする市民がさらに増えます。芦屋市が介護分野においてどのように将来設計をしているのかが見えず、公的責任が取り切れないことは問題です。
また、教育分野については、学校園ネットワークシステム更新業務について申し上げます。情報セキュリティ機能の更新・強化は必要ですが、先日の予算特別委員会の分科会では、教職員が新たに自宅でも業務ができるようになるという説明がありました。しかし、そもそも多くの教員が子ども達のために持ち帰り仕事をしているという現状があります。いま、学校の先生に正式な残業代を支払わず「働かせ放題」にする「給特法」という国の制度があることが大問題です。このことを解決せずに自宅での持ち帰り仕事を可能にすれば、さらなる長時間労働につながると考えます。高島市長は中央教育審議会の委員に選ばれたそうですが、この先生を働かせ放題にする「給特法」こそ働き方改革を阻害しており、無くすべきだと審議会の場で訴えてほしいと思います。
芦屋市のごみ焼却施設を無くし神戸市との広域化することについては、すでに前年度議案の条例案の反対討論でも述べましたが、ごみの焼却という、無くてはならない市民サービスについて自治体の責任後退であると考えます。阪神淡路大震災を経験された市民からは、30年前に南芦屋浜で野焼きをしたり、他の自治体にごみを受け入れてもらった経験からも、リスクを分散させるために焼却施設を残すべきではないかと疑問の声が上がっています。また、二酸化炭素を減らすという環境面を打ち出していますが、一方で、石炭火力発電所を稼働させる神戸製鋼とは環境協定を結ぼうとしないなど矛盾も生じています。神戸への大型トラックでのごみの運搬を公的に直営で担っていくという確約もありませんでした。神戸市との協定書の文章を見て対等な関係であるとは言えず、焼却炉無きあとは、委託料等で神戸市の言いなりになる可能性があると考えます。
道路・公園・街路樹の包括管理業務委託の一本化については、そもそもわが党として、包括管理委託そのものが、一括して民間企業に管理を任せてしまうことで、職員のスキルなどの行政力や責任の後退であるなど、課題が大きいため反対をしてきました。ただし、街路樹の包括管理委託については、公募および選定の結果、実際にこれまで街路樹の維持管理をしてきた市内の造園業者でつくる造園組合が引き続き管理を行うということで、賛成したと言う経緯があります。しかし、2025年度からスタートする道路・公園・街路樹の包括管理委託の一本化は、実施予定者に決まった市内工務店からは「市内業者を全体の80%に」「金額で市内業者90%」と、市内業者の活用を提案されていましたが、直前の3月の時点でも4割しか確保できていないことが分かりました。また、金額面で言えば造園組合が約5,200万円も安い価格を提示していることから、従来の入札方式であれば結果がひっくり返っていたであろうことを考えると、提案公募型(プロポーザル方式)の問題点が浮き彫りになったと言えます。何より、今まで芦屋の景観を作って来た市内業者を行政自ら排除することになっていることから問題です。
◆この間の市長の市民への向き合い方ですが、対話する姿勢を打ち出しながら、決定事項を伝えるだけになっているケースが多く、本来の対話をすることの意味である、時に立ち止まったり見直したりする姿勢が見えにくいことが問題であると感じています。このことが、いまお伝えした私たちが問題があると考える複数の事業に現われているように思います。
◆財政力についても申し上げます。この間指摘してきた通り、市税の率の高さや、数十億円という毎年の決算での単年度黒字の額から見ても、芦屋市の財政は大変豊かであると言えます。それを市民の暮らしにどう活かすかを第一に考えて頂きたいと思います。
◆さて、今回の一般会計予算案には包括管理業務委託に関して附帯決議も付されています。予算案そのものに附帯決議が付くのは芦屋市議会としても久しぶりのことです。芦屋市議会として、この度の委託先の選定までの一連の動きは問題を孕んでおり「このまますんなりと予算を通すだけではいけない」という共通認識を持っているということです。
高島市長は、市長に就任される際、「芦屋のまちなみが大好きです」とおっしゃってきましたが、その、市長が素晴らしいと感じる景観を作るために、何十、何百という方々が技術、そしてプライドをもって働いてきたことを、いま市長ご自身は、どのように考えていらっしゃるのですか?私たちは、芦屋の景観を形作るうえで、特に街路樹は無くてはならない存在であり、管理のノウハウや剪定などの技術は、市外業者が一朝一夕で真似ができるものではないと考えています。
私たち日本共産党は、今回、一般会計予算案には複数の課題・問題があると考えることから反対をしますが、せめて、この道路・公園・街路樹の包括管理業務委託の一本化だけでも考え直してほしいと、今は切に願っています。住民監査請求が2度も出され、これから問題点が市民に広がれば、結果的に市民を失望させることにつながります。また、予算特別委員会でもお伝えしたように、本件は担当部局に留まらず、中小企業等の振興や災害時の協力体制という点から見ても、市全体の問題であると考えます。
市長が本当にこの芦屋市役所のリーダーであり、そして本当に市民の声を聴いているならば、「立ち止まる」という決断ができるはずです。
以上の点から、第24号議案2025(令和7)年度一般会計予算に反対を致します。
もうすぐ桜の季節ですね…
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